コスモス2少年編は、ムサシ少年の夢をテーマにしたとても素敵な物語。  気が付くといつの間にか映像の世界に引き込まれていて、観終わったあとすごく爽やかな気持ちになれます。  時空を超えた神秘体験でありながら、どこか温かい雰囲気も漂っていて「ああ、いい映画だったなぁ」と思えるんですよね。

 オリジナル版とは、かなり趣きの異なる少年編、同じ素材でも別方向から光を当てると、こうも違った映画が出来上がるものかと感心するばかりです。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
.

 映像や脚本そのものが素晴らしいだけでなく、追加映像と音楽との呼吸がぴったり合っていたことも心地よさの秘密かもしれません。  少年の様々な心情を的確に表現した音楽、まさに映像の心を伝える音楽だったと思います。

 オリジナル用に作られた音楽は、かなり切られていてちょっと残念でしたが、それは仕方ないですよね。 映像を編集し直してるわけですから。  私としては、矢野さんの新録曲が聴けただけで、最高に嬉しかったです。  どの曲も綺麗なメロディで、幸せの涙、涙、涙……(ウルウル)


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
.

 少年編とオリジナル版、ちょうどコインの裏表のように、二つでひとつの作品。  そう思うと どちらもすごく愛着が湧いてきます。  今となっては、両方作られて良かったと心から思います。 (02.9.24)

 嬉しいことに、CD未収録だった「ムサシ少年編追加音楽」が、「ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティス」サントラに収録されました。  本当に感激です!!  それに伴い、正式曲名記載と、追加コメントを行なうとともに、映像未使用音楽も一部紹介しました。  加筆部分はピンクの文字にしてあります。 (03.8.11)
.

 

 

★☆ 少年ムサシ ☆★  (25.コスモスの光 <M-2>)

 

 この作品で一番心を捉えた台詞、それは、冒頭、ムサシが思い出の場所へ向かう場面でのモノローグ。 地味な場面だけれど、胸にしみますね。 しかも音楽が最高に素晴らしいのですよね。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
.

 「コスモスからもらった光。それだけは消さないで……」
という母親の言葉を受けて流れる始める静かな音楽。

 「コスモスからもらった光……」と繰り返すムサシ。
一瞬途切れた心を埋め尽くすかのように、優しい笛の音があたりを包み込んでいきます。 このシーン、間の取り方が素晴らしいですね。

 笛の音はさらに続きます。 
ムサシのモノローグも音楽の流れそのままに続きます。
「ぼくは母さんの言葉をきいて無性に星が見たくなった。 突然、扉を閉めてしまったぼくの未来。 星の光だけが、その扉をこじ開けてくれる…… そう信じて、ぼくはあの場所へ向かった。」


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
.

 思い出の場所へ自転車を走らせるムサシ。
ここから、シンセのピアノ(?)へと引き継がれるメロディ。 この燦めきは星への思いなのでしょうか。 バックのストリングスも温かくムサシを応援していますね。

 「天候は最悪だったけど、そこへ行けばきっと星が見える。 そこへ行けば何かが変わる。 そんな気がした。 マリやツトム、ショウジたちと遊んだあの思い出の砦へ。 ウルトラマンと会ったあの場所へ……」

 ほんとにもう泣けますねー。 最高のシーン、最高の音楽です。 (02.9.24)

 

  この曲をサントラで聴いてみて、新たに発見したことがひとつ。  それは、バックのストリングスが非常に美しいということ。  パン・フルートやシンセの奏でるメロディとは全く違った旋律。  思わずストリングスだけで聴いてみたくなるほど綺麗な音色です。

 しかも、もっとすごいことに、「24.少年ムサシのテーマ <M-1>」と「25.コスモスの光 <M-2>」とでは、ストリングスのメロディが全然違うんです。  これはもう、「さすが矢野さん!」というほかないですね。

  映像中では、台詞に気をとられていて気がつかなかったのですが、楽器の音がクリアなサントラだからこそ味わえる贅沢。  CD化されて本当に良かったと思うのは、こんな瞬間です。 (03.8.11)

 

 

 

★☆ 大空へ ☆★  (25.コスモスの光 <M-4>)

 

 小学生のムサシがコスモスと共に大空を飛ぶ思い出のシーン。

 このリズムですよ、このリズム!! いいですねー。 メロディは「少年ムサシのテーマ」と同じですが、何と爽やかに変身していることか!! 笛&ピアノヴァージョンに負けず劣らず素晴らしいアレンジですね。

 まるで、この音楽のせいで風が巻き起こり、少年の髪がなびいているような錯覚にとらわれます。 ほんとうに大好きな曲です!!

 

 

 

★☆ マリ&ムサシ ☆★  (27.ムサシ、Wake Up! <M-5>)

 

 落ち込んでいるムサシをマリが励まそうとするシーン。 

 これも笛の音が美しい音楽。 後半はちょっと悲しい曲調に変化して、ムサシの屈折した心情を物語っていますね。 メロディの流れがとても綺麗。

 

 

 

★☆ 神秘体験 ☆★  (28.シャウのテーマ <M-6>)

 

 ムサシとシャウが初めて言葉を交わす場面。  ムサシを、時間の流れを超越した世界へと誘うシャウ。

 神秘的な映像と音楽が印象的。 シンセの燦めきと低音のバックサウンドが不思議な雰囲気を感じさせてくれますね。  少年ムサシと話す場面のみ、シャウが髪型を変えて登場するのもいいですね。

 

 

 

★☆ ラストシーン ☆★  (31.ムサシとマリ <M-9>)

 

 一夜明けて、再び夢を取り戻したムサシ。

 これも「少年ムサシのテーマ」の別ヴァージョンですが、使用楽器もピアノから笛、シンセという流れに変わり、ラストに相応しい落ち着きが演出されていますね。

 映像では、最後に、コスモス2サントラ「14.旅立ちの時(M54)」前半へと音楽が引き継がれる点も素敵です。

 

 

 

★☆ 魅力の映像未使用曲 ☆★  29.異空間にて <M-7>、25.コスモスの光 <M-3>)

 

◆ 29. 異空間にて <M-7>

 今回のサントラ、まさか、3分40秒もの未使用曲があるとは思ってもみませんでした。  感激です!!  基本は「25.コスモスの光 <M-2>」と「27.ムサシ、Wake Up! <M-5>」のミックスですが、「ムサシ、Wake Up!」に移行するあたりの低い弦がとても心地よく響きます。  コーダのややクールな楽器使いも素敵ですね。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
.

◆ 25. コスモスの光 <M-3> 

 「少年ムサシのテーマ」の別アレンジですが、ポロン、ポロンという弦楽器(?)が楽しい。  短い曲ですが、サントラ全体の中で、とてもよいアクセントになっていると思います。

(03.8.11)

 

 

 

★★「矢野立美先生インタビュー」から寄り道してこられた方は
こちらに戻って、ラストの「インタビュアー感想」へどうぞ

 

 

「コスモス2」トップに戻る

 

「コスモスVSジャスティス」トップに戻る

 

ウルトラマンのページに戻る

 

ホームページに戻る